「青汁を飲んでいれば、鉄分不足も補えるのかな」
野菜の栄養を手軽に摂れる青汁を見ると、そう期待したくなりますよね。
管理栄養士として女性の食生活改善に携わってきた吉岡真帆です。
しかし、青汁は鉄分補給の助けにはなっても、1杯ですべてを補う飲み物ではありません。
この記事では、日本薬健の解説を数字で確かめながら、青汁の取り入れ方と鉄の吸収を邪魔しにくい飲み方を紹介します。
日本薬健の記事では青汁をどう紹介している?
日本薬健の鉄分の多い飲み物についてまとめた記事では、青汁のほか、ルイボスティーや黒豆茶、ココアなどが紹介されています。
青汁について商品名と1包あたりの鉄分量まで書かれているため、量を比べやすいのがよいところです。
記事に掲載された2商品の数値を、月経のある成人女性の推奨量の下限である1日10.0ミリグラムと比べると、次のようになります。
| 商品 | 1包あたりの鉄分 | 1日10.0ミリグラムに対する割合 |
|---|---|---|
| 金の青汁 純国産大麦若葉100%粉末 | 0.3ミリグラム | 約3% |
| 金の青汁 25種の純国産野菜 乳酸菌×酵素 | 0.8ミリグラム | 約8% |
1包で補えるのは、推奨量の一部です。
青汁だけで鉄分不足を解消しようとせず、食事で足りない分を少し支えるものと考えるのが現実的です。
もう一つ見ておきたいのが、同じ青汁でも1包あたりの鉄分量に差があることです。
「大麦若葉入り」「野菜を何種類使用」といった表側の表示だけでは、鉄分量は判断できません。
買う前に裏面の栄養成分表示を開き、鉄の項目を比べるほうが確実です。
青汁だけに任せず食事を土台にする
厚生労働省の解説によると、成人の鉄推奨量は男性が1日6.5〜7.5ミリグラム、月経のない女性が5.5〜6.0ミリグラム、月経のある女性が10.0〜10.5ミリグラムです。
年齢や月経の有無で必要量が大きく変わるので、「女性は全員10.5ミリグラム」と一括りにはできません。
鉄には、肉や魚に含まれて吸収されやすい「ヘム鉄」と、野菜や穀類に含まれる「非ヘム鉄」があります。
大麦若葉など植物を原料にする青汁の鉄は後者であり、含有量だけでなく食事との組み合わせまで考えたいところです。
私なら、鉄分補給を次のように組み立てます。
- 主菜に赤身肉、かつお、あさりなどを選ぶ
- 小松菜や大豆製品を副菜に加える
- ピーマン、ブロッコリー、果物などでビタミンCを補う
- 鉄分表示のある青汁を補助として添える
青汁を飲む日でも、主菜を抜かない。
これだけで「青汁に全部任せる食べ方」から離れられます。
たとえば朝食が食パンとコーヒーだけなら、ツナと小松菜を挟んだサンドイッチに変え、キウイやみかんを添えて青汁を飲む形にすると、鉄、たんぱく質、ビタミンCをまとめて摂れます。
朝から完璧にそろえられない日は、昼食や夕食で赤身肉や魚、大豆製品を選べば十分です。
鉄分補給に青汁を使う3つのコツ
青汁は、商品ごとに原料も栄養成分も違います。
パッケージの栄養成分表示を見て、「鉄」の記載と1回分の含有量を確認してみてください。
- 食事を置き換えず、いつもの食事に足す
- 鉄を含む主菜とビタミンCを含む副菜を組み合わせる
- 茶やコーヒーは食事と同時に飲まず、時間をずらす
茶やコーヒーのポリフェノールは、非ヘム鉄の吸収を妨げます。
健康な女性を対象にした対照試験では、食事と茶を1時間ずらすと、同時に飲んだときより鉄吸収への阻害作用が弱まりました。
完全にやめるのではなく、まず食後1時間ほど空ける方法なら続けやすいはずです。
疲れや息切れが続くなら飲み物で済ませない
「疲れやすいから青汁を増やそう」と自己判断するのは禁物です。
日本血液学会の解説では、鉄欠乏性貧血の原因として、摂取不足のほか、慢性的な出血、必要量の増加、吸収障害などを挙げています。
息切れ、動悸、強い疲労感が続く、月経量が多いといったときは、医療機関で血液検査を受けましょう。
鉄の蓄えを見るフェリチンが減っていても、初期にはヘモグロビンが基準範囲に収まることがあります。
「健康診断で貧血ではなかったから」と決めつけず、症状と月経の状況も医師に伝えてください。
青汁は食品です。
貧血の原因を調べる検査や治療の代わりにはなりません。
まとめ
青汁は、鉄分不足を補う小さな助けになります。
一方で、1包に含まれる量は1日の推奨量の一部なので、肉や魚、大豆製品、野菜などを組み合わせた食事が土台です。
まずは手元の青汁に「鉄」の表示があるか、1回分が何ミリグラムかを見てみてください。
数字を確認して食事に足す。
この使い方なら、青汁を無理なく鉄分補給に生かせます。




